『禍中の祈り』楽曲解説

2021年10月06日

デビューシングルのリリースから1週間経過しました。たくさんの方々に聴いていただけて、非常に嬉しく思っております!本当にありがとうございます!!


今日は、リリースと同時にMVが公開された、シングルの中の収録曲『禍中の祈り』について、曲の解説をしたいと思います。


これは、昨年作詞した曲なのですが、そのことからお察しいただける通り、この曲に於ける「禍」とはCOVID-19の流行のことを指しています。文明が進んで感染症とは縁遠くなったはずの現代で生きる私たちが、世界全体で感染症に翻弄されて、まさに災厄としか言えない世の中で生きている...その世界の中では、従来"当たり前"であったはずの日常や楽しみが奪われ、虚しさや哀しさを抱えて日々を過ごさなくてはいけなくなっている...そんな状況の中の叫びです。そのような日々の中、私は医学生生活で最も衝撃的で貴重な実習の期間を迎えました。


そう...解剖実習です。


実習期間毎日、私たちに学びを与えるために黙って横たわっている方と向き合っているうちに、「目の前にいる方もきっと、その長い人生の中で非常に大きな困難を乗り越えてきたのだろう。そして、身を挺してこれほどまでに尊い人生最期の大仕事を引き受けてくださった方なら、今の世界を生きる私たちのことも励ましてくれるかもしれない」と感じるようになりました。


ご遺体は物理的に喋ることは当然出来ませんが、実際に直面すると私にはどうにも、何もメッセージを発しない存在には思えませんでした。このような、言葉ではない何かによる会話を生者と死者が共に会する実習室で交わし、そこで抱いた励ましといいますか、何か前向きな力を抱いて歩んでいく決意をした...


そんな楽曲になります。この長文の解説を読んでくださった方は、もう一度『禍中の祈り』を聴き直すとまた最初とは違った感じ方ができるかもしれません。


ではまた!